2023/01/02

買取と下取は似ているようで、実は全く違います。車を販売することがメインのお店と、買取することがメインのお店では仕組みが全く違います。
買取とは、買取専門店や販売店に、新しく車を購入することなく、直接車を売却することです。
下取とは、新しく購入する車の代金の一部として割引く目的で、今乗っている車を引き取ってもらう(売却する)ことです。
今回は、買取と下取の違いについて詳しく解説していきます。
目次
買取と下取のメリット・デメリット

次に買取と下取のメリットとデメリットをご紹介します。
<買取のメリット>
- 人気車種やグレード、状態、装備が買取金額にダイレクトに反映される。
- スポーツカーや輸入車など趣味嗜好の強い車は、需要が偏ってしまうので、専門に扱っている業者の方が通常以上の値段で買い取ってもらえる可能性が高い。
- 買取金額のお金の使い道は自由。
<買取のデメリット>
- 相場は毎日変動しているため、売却時期によって買取金額が大きく変動してしまう。
- 具体的に乗り換えや売却が決まっていないと、良い査定額が出ない。
- 他のお店で車を購入している場合、車の入れ替えが面倒。
<下取のメリット>
- 値引きが限界のとき、下取で多少なりとも補填してくれることがある。
(例)A:値引きをもう5万頑張ってくれたら購入します!
営業マン:値引きはこれ以上厳しいので、下取を5万勉強します! - 購入した店で車を引き取ってもらえる(売却する)ので、別に売却先を探さなくていいため、手間が省ける。
<下取のデメリット>
- 下取ありきでの値引きの場合があり、他で高い査定額がついたとしても、下取を外せないまたは値引きが下がる可能性がある。
- 人気車種やグレード、状態、装備があまりプラス評価をしてくれない。
- 下取り金額は次に購入する車にあてられるため、自由に使えない。
このように、まずは買取と下取のメリット・デメリットを押さえましょう。
このような違いをみてみると、これならあまり手間がかからない下取の方がいいのではと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
手間という点においては、下取の方がいいですよね。
ただ、金額という点においては、下取は損をしてしまう可能性が非常に高いのです。
え?どういうこと?と思う方も大勢いると思いますので、これから詳しく説明させていただきます。
下取に出してしまうのは損!?

例えば、新車の購入を検討しているとします。
少しでも安く買いたいので、多くの人はディーラーに行き、相見積もりを取ると思います。
そこでディーラーAとBの2つが候補に挙がっているとします。
今乗っている車もディーラーで売却を済ませたい場合、そこで下取という形で売却することになります。
見積もりの内容は多少違うかもしれませんが、基本的に支払う金額(総額から値引き・下取金額を引いた金額)はほとんど変わりません。
どういう事かというと、下記図のようにディーラーAはBより値引きを多くしていますが、下取金額はディーラーBの方が高いということです。

一方で、購入は値引きの高いディーラーAにし、売却はディーラーBの下取価格と同じ買取店を利用すれば、プラス10万もお得になります。
同じ車を購入し、同じ車を売るだけで、これだけの差が出るので、結局トータルは同じだったかで片づけてしまうのは勿体ないです。

このように上手にお買い物が出来れば、妥協せずに好きな車やオプションを付けて購入が出来ますし、車種によっては同じ内容で初回車検代が浮いてしまうということです。
ディーラーと買取業者の良いところを取って賢く購入しましょう。
もちろん、少し手間が掛かってしまいますが、安く購入するためには少しの手間は必要です。
買取業者によっては、ディーラーBの下取価格以上の値段を付けてくれるところも見つかるかもしれませんので、下取だけにお任せするのではなく、買取業者にも査定をしてみましょう。
ただし、注意しなければならない点もありますので、これから注意点について詳しく書いていきたいと思います。
下取に出す際の注意点

先ほど、下取に出すのは損だということを書きましたが、なかにはだったら先に買取業者で査定をし、その金額でディーラーに下取してもらった方が手間が省けて一石二鳥じゃん!
と考える方もいると思います。
しかし、これではお得に車の購入はできません。
なぜかというと、値引きの金額が安くなるからです。
新車は車種・グレードによって値引きの金額が決まっています(県や地域によっては値引きの金額が若干違います)。
下取を高く取ったように見せて、値引きの金額を何割か下取に回しているのです。
本当は30万値引き出来るが、値引きの10万を下取りに回して、下取を高く取ったように見せ、値引きを20万が限界ですと提示されるのです。
一見お得なように見えますが、値引きは値引きで30万の限界を引き出してから、下取の交渉をしましょう。
極端な話をすれば、今乗っている車は下取には出しませんので、値引きを目一杯頑張って下さいというくらい、値引きに力を入れて話をすると、お得に車が購入できるでしょう。
ディーラー下取は頑張っても高く取ってくれない

ディーラー下取は頑張って交渉しても高く取ってくれないの?という声が聞こえてきそうですが、はっきり言います。高く取ってはくれません。
ディーラーは新車を販売して利益を出している会社です。
下取として買い取った車は、業者のオークションに売りに出すか近くの買取業者に売却しています。
せっかく新車を販売したにも関わらず、無理して下取で高く買った車で赤字を出してしまっては元も子もありません。
ディーラーには下取を高値で取るメリットがないので、交渉しても高く取ってくれないのです。
気付いた方もいらっしゃるかと思いますが、ディーラーで下取された車は、業者のオークションに売りに出すか、近くの買取業者に売却しています。
買取業者に売却しているディーラーもあるので、やはり売却は買取業者に任せた方が、良い金額を付けてくれますよね。
まとめ
車は家の次に大きな買い物です。
お金持ちの人であれば悩まずに購入できるのでしょうが、私のような一般家庭の人間には、簡単に出せるお金ではありません。
頻繁に購入するものでもありませんので、なかなか車のことが分からない方も多いと思います。
少しでも安く、賢く購入できれば何十万単位でお得にお買い物が出来るので、少し手間はかかってしまいますが、手間を惜しまずに行動しましょう。
営業マンもプロですから、もちろんお得だと思わせるようなトークをしてきます。
しかし、大きな買い物なので、そこは一旦冷静になってしっかり考え、本当にいい買い物が出来たのかどうか判断できるようになっていただけると幸いです。